メンバー【教育応用研究部門】
Research outline

教育応用研究部門
鄭 嫣婷
国際文化研究科 教授
第二言語習得・言語コミュニケーション研究
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JEONG研究室では、人が複数の言語をどのように学び、使い、脳がそれをどのように支えているのかを研究しています。fMRIなどの脳画像技術と行動実験を用いて、記憶、感情、社会的な相互作用が言語にどのように影響するのかを探っています。
また、多様で国際的な環境や文脈の中で、私たちがどのように言語を学び、コミュニケーションを行い、多言語的・文化的な行動を選択・調整しているのか、そのメカニズムを神経認知的かつ社会的な視点から明らかにすることを目指しています。
人は日常的にジェスチャーを使っています。それはあまりに自然で、しかしながら不可欠なコミュニケーション手段です。母語における共発話ジェスチャーの研究はかなり以前から行われてきましたが、第二言語(L2)の習得や理解におけるジェスチャーの役割に注目が集まるようになったのは、比較的最近のことです。近年の行動実験では、ジェスチャーが視覚的な手がかりとして機能し、聞き手の脳内に運動的な痕跡を残すことで、発話内容の理解と記憶を助けることが示されていますが、L2の文脈における音声とジェスチャーの統合の神経メカニズムについては、いまだ明らかになっていません。
今回、国際文化研究科のYan Jiaxinさんはこのテーマに関するfMRI研究結果を発表しました。第二言語の発話内容の再生が、脳内の「マルチモーダル統合ハブ」とされる左後部中側頭回(left pMTG)の活動と正の相関を示すことが明らかになりました。発表後には、第一言語・第二言語両方におけるマルチモーダル・コミュニケーションに関心を持つ多くの参加者と熱心にディスカッションしました。
もちろん、他のシンポジウムやポスター発表、口頭発表も非常に刺激的でした。真夏の松山での開催となりましたが、会場には研究への熱意と、知的交流を楽しむ空気が満ちていました。構文論や形態論、習得段階、語用論など、言語に関する多様なテーマが取り上げられ、非常に内容の濃い学会だったと思います。小規模ながらもコンパクトにまとまっており、研究者同士の交流も密で、実りの多い時間となりました。(Jeong)
Jiaxin Yan, Victoria-Anne Flood, Motoaki Sugiura, & Hyeonjeong Jeong
How Gestures Facilitate Second Language Acquisition: A Neural Perspective
The Japanese Society for Language Sciences (JSLS), Matsuyama, Ehime University, Japan【 Oral 】
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