センターについて
About the Center
東北大学 応用認知神経科学センター(CogNAC)について
認知神経科学はヒトの心や行動の謎を、脳内の情報処理(認知プロセス)の組み合わせとして解明します。この研究領域を、心の問題に起因する社会的課題の解決に応用し、よりよい社会の共創を実現するための、人材を育成することが本センターのミッションです。
80年代の非侵襲的脳機能計測法、特に機能的MRI法(fMRI)の開発により、認知プロセスの可視化技術が普及しました。この技術はヒトの心に関わる様々な社会の問題解決への貢献が期待されてきましたが、認知神経科学はまだ十分にこの期待に応えられていません。
その原因は、認知神経科学と社会の現場の問題の両者に精通した「橋渡し」人材が足りないことにあります。認知神経科学者は現場の問題を知らず、社会の現場では認知神経科学の可能性が理解されていません。
本センターでは様々な分野の研究者や現場の当事者が集まり、多様な人文・自然科学と認知神経科学の基礎研究技術を統合した「総合知」を創出し、これを修めた「橋渡し」人材の育成を目指します。そのために、3つの応用研究部門と研究教育戦略部門の連携により、様々な分野の産学官共同研究、それを通じた応用認知神経科学教育プログラムの開発、人材育成を推進します。
社会応用研究部門:社会的課題の背景にあるヒトの心の働きを解明し、医療・福祉・家族・地域・企業・労働・教育等にかかわる制度設計を行います。
工学応用研究部門:ヒトの心の理解に基づいた、情報技術の社会実装や社会的課題の工学的解決につながる新しい製品・サービス開発を行います。
教育応用研究部門:社会的課題解決に教育やトレーニングから取り組み、ヒトの心の理解に基づいた教育システム(ハード・ソフト)設計を行います。
研究教育戦略部門:教育カリキュラム構築とプログラム・ツール開発を行い、応用研究部門における共同研究・教育推進を支援します。
みなさまのご参加・ご支援を歓迎いたします。
センター長 杉浦元亮
●センターのロゴについて
センター英語名の略称CogNACから想像されるブランデーから発想し、グラスを片手に他分野の研究者が出会い、繰り広げられる闊達な議論や、そこから醸し出される総合知の芳醇な香りをイメージしています。