メンバー【教育応用研究部門】
Research outline

教育応用研究部門
鄭 嫣婷
国際文化研究科 教授
第二言語習得・言語コミュニケーション研究
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JEONG研究室では、人が複数の言語をどのように学び、使い、脳がそれをどのように支えているのかを研究しています。fMRIなどの脳画像技術と行動実験を用いて、記憶、感情、社会的な相互作用が言語にどのように影響するのかを探っています。
また、多様で国際的な環境や文脈の中で、私たちがどのように言語を学び、コミュニケーションを行い、多言語的・文化的な行動を選択・調整しているのか、そのメカニズムを神経認知的かつ社会的な視点から明らかにすることを目指しています。
災害対応には適切な言語コミュニケーションと正しい行動選択が求められます。グローバルな現代社会では、これらのスキルが母語と外国語の両方で必要とされています。このような背景のもと、Tohoku UniversityとUniversity College Londonの言語学者と脳科学者が国際共同研究を実施し、災害状況における言語行動の思考過程をfMRIを用いて検証しました。その成果は、言語学分野でトップクラスのジャーナル「Studies in Second Language Acquisition」に掲載されました。本研究は、次の2点で世界初の成果を挙げ、分野を超えて大きな影響を与える可能性があります。 (鄭)
<言語学分野での革新>
本研究は、言語学と神経科学を組み合わせた新しいアプローチを用いて、脳が自然なスピーチ生成時にどのような認知処理を行うのかを探る初めての研究です。特に興味深い発見は、スピーチ中のポーズの位置によって脳の思考過程が変化することです。
<災害研究での意義>
災害時の人間の言語行動選択が言語や課題の難しさによってどのように変化するかを検証した世界初の研究です。従来のアンケート調査に代わり、自然なスピーチとfMRIを用いることで、より現実的な災害状況下で人間の思考プロセスが脳内でどのように変わるのかを明らかにしています。