東北大学応用認知
神経科学センター

Cognitive Neuroscience Application Center, Tohoku Univ.

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【CogNAC fMRI講義シリーズ2.fMRI実験手続き概論】研究組織

1. fMRI実験の実施には、どのような人が関わっているの?
fMRI実験では、強力な磁場を発生させるMRI装置を使うため、安全に注意を払う必要があります。例えば、装置に金属が引き寄せられて怪我をしてしまったり、体の中に埋め込まれている医療機器に影響が出てしまったりすることもあります。そこで、fMRI実験では、安全を第一に、様々な役割を担う人たちがチームを組んで実験を行っています。実験の実施に関わるすべての人が、実験体制におけるそれぞれの役割を理解しておくことが必要です。
  • 実験責任者
    実験全体を統括するリーダーです。安全な実験を行うためのチーム作りに責任を持ちます。主に、教授クラスの先生が担当しています。
  • 安全責任者
    安全を脅かすトラブルが発生したときに、実験を中止するか継続するかの判断を行う責任があります。実験中は、現場担当者と常に連絡が取れるように、加齢医学研究所内にいる必要があります。安全責任者は東北大学の教員でなければならず、主に助教クラスの教員が担当しています。
  • 現場担当者
    実際にMRI装置を操作して、実験を安全に進める役割を担います。被験者とコミュニケーションを取りながら、安心して実験に参加してもらえるように気を配ります。実験中に被験者の体調や装置の異変を察知した場合など、安全上の問題が疑われる事象が発生した場合には、実験を中断し安全責任者に判断を仰ぎます。主に、助教クラスの教員や、豊富な経験を持つ博士課程の大学院生などが担当しています。
  • 協力者
    協力者は、実験の遂行に関わる業務を通して、実験全体を支える役割を担います。業務内容はプロジェクトによって異なります。例えば、被験者をMRI装置の中へ案内したり、実験プログラムを操作したり、書類の記入を補助したりします。
2. MRIに詳しい人を研究組織に加えませんか?
  • 脳MRIセンターの3T-MRI設備の管理・運営は脳MRIセンター3T-MRI設備管理委員会メンバー(以下、管理委メンバー)のボランティアで行われています。
  • MRI設備は管理委メンバーの利用、あるいは管理委メンバーとの共同研究としての利用(以下、内部利用)を想定しています。様々な手続きを円滑に進めるためにも、管理委メンバーを研究組織に加えていただくと安心です。基本的に、CogNAC窓口教員は管理委メンバーです。
  • 研究組織の中で、現場担当者の条件を満たす方がいる場合には、脳MRIセンター事務局(idac-mri-office@grp.tohoku.ac.jp)までご連絡ください。管理委メンバーに加わることができます。
  • fMRI実験を継続的に実施される予定の方は、管理委メンバーとなっていただき、MRI設備の管理・運営にご協力いただければ幸いです。
  • 何らかの理由で共同研究としての利用が難しい場合、例外的に上記以外の利用形態(以下、外部利用)を運営委員会が承認することがあります。
3. CogNACの支援
  • CogNAC窓口教員が研究組織の構築を支援します。
  • 共同研究者や実験を補助してくれるアルバイト(AA, RA)などの募集も支援します。(準備中)
4. 具体的な手続きのまとめ
  • 実験体制における役割を理解しましょう。
  • CogNAC窓口教員と相談しながら、適切な研究組織を構築しましょう。

補足情報

1. 実験実施体制について(3T-MRI装置利用ガイドラインより引用)
利用者は、3T-MRI設備を安全に利用するための実験実施体制を構築する必要があります。以下の(1)〜(4)の役割をよく理解したうえで、実験実施申請時に書類で明記する必要があります。

(1) 実験責任者
  • 役割:MRI実験の全体的な管理。
  • 責任:問題のない実験実施体制の構築責任*。装置の汚損や破損が生じた場合の補償責任。
  • 注意点:MRI実験に特化した責任であり、プロジェクト全体の責任者(例:研究費、倫理審査など)と異なることは問題ない。
(2)安全責任者
  • 役割:MRI実験の安全に関する判断。
  • 要件:東北大学教員
  • 責任:被験者の安全性の問題が疑われた際の撮像可否判断。事故や装置の故障、エラー等への対応と、3T-MRI管理委員会への経緯の報告。
  • 注意点:加齢医学研究所内におり、現場担当者とすぐに連絡がつく状態となっている必要がある**。
(3)現場担当者
  • 役割:MRI実験に関わる装置操作。
  • 責任:機器の操作と安全に関わる即時の判断。被験者の安全性が疑われた際に実験を即時中止し安全責任者に判断を仰ぐ。MRI装置に関わる基本的操作***を問題なくこなすことができる。被験者とのコミュニケーションを問題なくとることができる。
(4)協力者:上記以外のMRI実験の関係者

*実験実施申請書における実験実施体制と、MRI実験時の体制を意味する。MRI実験時は現場担当者を含む2名以上の人員を配置する。現場担当者は3T-MRI管理委員会に出席し、装置の安全な利用に関わる最新の情報を把握している必要がある。現場担当者の3T-MRI管理委員会の出席方法については、必要な場合管理委員会事務局まで。

**安全責任者と現場責任者を含む撮像体制はMRI装置の予約時にグループウェアに明記する必要がある。詳細は予約・会計マニュアルを参照

***基本的操作:ログイン・ログアウト、液体ヘリウム量確認、被験者登録、examカードの登録、ガントリー操作、撮像の開始/停止、撮像データの出力、緊急停止の判断と対応、管理用書類の記載、といったスキルを含む。

注:上記とは別に、MRI室入室要件(MRI安全講習ビデオ視聴)がある。また、実験実施申請書における申請者(実験担当者や内部担当者)を上記体制に含める必要がある。双方の要件を満たすとき、安全責任者は現場担当者を兼ねることができる。

添付ファイル